Mclntosh MC2300

の改造記
2013/07/27




1970年から80年ころまでに製作された有名なパワーアンプです。

巨大な1500VAの電源トランスと、
40V39000μFの巨大コンデンサーが4本、
15Aのパワートランジスタが6パラの出力回路、
20Hzから20KHzまで300Wの出力を保障する出力トランスを用いています。


凄い事には40年位前から
準モノラルパワーアンプ仕様です!!





出力トランスはは0.5オームから16オームまでの端子があり、
左右パラレルの場合は600Wを保障しています。

業務用アンプなので
PAに使用するのを前提としているので
クーリングファンが2個ついています。





上記の画像で左側のリレーは
電源回路のラッシュカレント保護用の抵抗をショートさせるためです。

背後に取り付けたコネクターは
12万μFの巨大電源コンデンサーを4本接続するためです。



この機器は中古で購入したので
パワートランジスタが本来のモトローラ製から東芝製に変更されていました。

クーリングファンも交換されています。





上記は裏面の画像です。

左上のセメント抵抗はクーリングファンの速度を落とすためです。
電源ブリッジダイオードも交換しました。

電源ケミコンとボリューム間の基板は
左側がメーターアンプ、
右側の基板はプライマリーアンプです。
ゲインは20db。




上側の製作した基板はプライマリーアンプと定電圧電源基板。







右側はプライマリーアンプ基板(下になって見えません)とその定電圧基板、
左側はパワーアンプ回路用の定電圧回路基板。





上記の左側はノーマルのパワーアンプドライブ基板、
右側は定電流回路を付加したチューン基板。


パワーアンプ部のゲインは8オーム時にて20dbで、
プライマリーアンプを含めると40dbとなります。
これは現在の一般的なパワーアンプの30dbより10dbもゲインが大きいです。

余りゲインが大きいのでプライマリーアンプのゲインを6db絞って
14dbとし、
トータル34db(8オーム時)としました。






本来USAの120V仕様のみなので120V用電源を設置して調整しました。


音質はノーマル時の豪放的ながらスピードが遅く低域も高域も無い音ではなく
大変締まった音ながら遠近感もあり
立ち上がり立下りの速い力強い音です。

低域も高域も出来る限り伸ばしました。
高域は元々の100KHz−3dbから
150KHz−3dbになっています。
ノイズは8オーム時ノーマルで0.6mV位でしたが、
現在では0.4mVです。

シャーシもノーマルではファン振動により
しっかり共振していたので
共振対策を施しました。


現在の100万円以上するアンプより確実に音は良いでしょう。

元々の物量はしっかり投入されているので、
当時では出来なかった回路技術を投入すると
大変素晴らしい音になります。


中身や技術を知らないブランドマニアから見ると
骨董品のアンプでしょうが、
この音を聴いたらどう思うでしょうか。


大変なショックを覚えるでしょうね。
現実に某所ではそうなりつつあります。(笑)



2013/07/27


滋賀県のある方が上記の記事を見て中古のMC2300を購入され、
当方に運び込まれてチューンを依頼されました。





MC2300は内部に39000マイクロファラッドの電源コンデンサーを4本内蔵していますが、
そこでこのMC2300にも外部に12万マイクロファラッドの電源コンデンサーを取り付けるようにしました。
そうしますと合計約16万!マイクロファラッド×2(各ch)となります。






下の画像は別箱の電源コンデンサーの接続前です。




今回は8オームスピーカー端子でのアンプのゲインを以前より6db減らして
普通のアンプのゲインの28dbとしました。


これはプリドライブからパワーアンプ部への信号を半分に減らして対応しました。
そのため大変使い易くなりました。







音質は音の反応が速くてローレベルの音が大変綺麗に再生します。
それと音の出方が高域から低域まで揃っています。

これは新たな発見でした。

プロ用アンプとして長らく使用されたのが納得出来る音です。



大変重いですが、
場所があれば手元に置きたいアンプです。