CD−15の改造

MT氏のCDプレーヤー マランツCD15をもう1台購入されて2台になりました。
1台は常時使用されてもう1台はスペア及びより良い音にするための改造用です。

最近当方のCDプレーヤーのマスタークロックを高精度の発振器に交換した処
音が激変して良くなったのでCD15のマスタークロックも交換してみました。





まずマスタークロックの周波数をテクトロ6201FETプローブ+カウンターで測定した処
33.8688MHzでした。
この周波数はフィリップスの1ビットDAC7の基準周波数で、44.1KHz×768倍です。




上記の波形です。
この波形を見ますと上と下の波形の長さが異なります。
つまり発振子と発振部の調整がされておりません。

本来は水晶発振はsin波で、これをインバーターにて矩形波にします。
このsin波がくせもので、肩特性が緩やかなため発振回路が不安定だったり
設計が好い加減だと矩形波になった時に波形の上下の長さが異なったり不揃いになり
ジッターが発生します。


この事はYahooオークションにて購入した高精度発振器を供給して頂いた村山様より指摘して頂きました。
村山様のコメントの抜粋です。

「外部オシレータで効果があるのは、クリスタルの発振波形がサイン波で、
これを受けるバッファのスレッショルドレベルが
安定していない(高集積LSI内のVSSやVDDはあまり安定していない)とジッタが大きくなる訳です。

発振モジュールの出力波形は方形波寄り(クリスタルと比較して)ですので、スレッ
ショルドレベルの変動の影響を受けにくいのです。」


*スレッショルドレベル*
デジタルICにおいて出力電圧が”High”または”Lo”に転換する境目の入力電圧で、
定量的な言い方だと入力電圧と出力電圧が等しくなる電圧。
(出来ればデジタル回路の専門書を参照して下さい)





取り付けた33.8688MHzの高精度発振器はプラクトサウンドシステムさんより購入しました。
周波数精度は±2.5ppmです。
普通周波数精度が20MHz以下ですと1ppm,20MHz以上ですと2.5ppmとなっています。





これは高精度発振器についている
三田電波のデータシートです。
負荷にもよりますがクロックの立ち上がり立ち下がり時間は
約1.8nSです。

詳細はプラクトサウンドシステムさんのHPを御覧下さい。

この発振器の電源は+9Vから3端子レギュレーターにて+5Vを供給してより安定した電源を供給しています。





発振器の波形は以上の通りで綺麗に波形の上下の巾が揃っています。





上の画像のオプティカルOUTはCD15は古い機器なのでコアキシャルOUTしかなく
都合が悪いので取り付けてみました。
又、コアキシャルOUTドライブ用TTL−IC 74HC04を高速の74AC04に交換して
IC上にOSコン150μFを直に取り付けました。

現在このCD15はCDトランスポートとして使用されております。


この高精度発振器を取り付けたCD15の音質評価は


まず音がクリアーになり見通しが良くなった。
システムが大掛かりなのに音像がより小さくなりスピーカーとスピーカーの真中に人が立ち
歌っているような感じがする。
より歌手とバックの演奏との距離感がはっきりした。

奥様に美空ひばりの愛燦々を聞いて頂いた処、そこに立って歌っているようだとおっしゃいました。
奥様は美空ひばりが亡くなる直前の御園座の公演をお聞きになっております。